横浜歴史さろん

コーヒー コーヒー
仲間情報用画像

よこはま歴史仲間

大都市横浜には、郷土の歴史や文化について調査・研究している団体や、自主的に勉強しているグループがたくさんあるそうです。このページでは、そうしたお仲間の紹介や利用できる有益な施設の情報などを順次提供しています。

これまでにご紹介した団体、施設等の記事は「アーカイブ」にてご覧になれます。

横浜の歴史に関係する活動を行っているユニークなグループ、利用可の知られざる施設・建物などがあれば、紹介させていただきますので、ご連絡ください。
  rekishi@yokohamasalon.link

#####################################
★紹介コーナー No.6

緑区生涯学級「横浜線ものがたり」

緑区には「みどりーむ」という愛称の 緑区市民活動支援センターがあり、地域活動や様々な市民団体の自主的な活動を支援している。その特徴的なものとして緑区が実施している生涯学級がある。生涯学習ではなく“生涯学級“。これは、区民が運営委員として生涯学習講座の企画・運営に携わることで、主に退職者たちに、地域で自主的に活動する場を提供する、との目的がある。  今回紹介するのは、緑区生涯学級のひとつである「横浜線ものがたり」です。その運営委員会(代表 佐野純一さん)にお邪魔して、お話を聞かせていただきました。(取材・文 渡辺登志子)

「横浜線ものがたり」って?


初日の相澤雅雄先生による公開講座

「横浜線ものがたり」は、平成18(2006)年にJR横浜線がその2年後の平成20(2008)年に開業100周年を迎えるにあたり、10人ほどの市民によって、その運営委員会が立ち上げられたそうだ(現在メンバーは12人)。「横浜線ものがたり」といっても、横浜線そのものの調査や研究ではない。なぜ、横浜線かというと、この緑区の中央を、JR横浜線が東西に縦走し、駅が4つ(長津田駅 – 十日市場駅 – 中山駅 – 鴨居駅)もあることから、緑区の象徴として捉えたことによるという。ついでながら、鶴見川の支流の恩田川も同様に区の東西に流れている。

創設時のメンバーの一人である久保田武光さんは、「中学校時代の仲間と還暦の集いを行った際に、毎年当たり前のようにやっている“どんど焼き”が、一つ目小僧に由来する(下の「一つ目小僧とどんど焼き」を参照)ものだということを、地元生まれ地元育ちの人さえ知らなかったことに愕然とした。幼少の頃に母親から地域に伝わる風習や言い伝えを子守歌代わりに聞かされた話だった。」という。そこで、地元(緑区)のことをもっと知ってもらいたいと、地域の歴史や文化を伝える活動を始めた。そのひとつが、退職者たちの生きがいづくりを目的とした生涯学級講座「横浜線ものがたり」の運営委員への参加だったそうだ。

本格的な講座づくり

テキスト
今年のテキスト

会の活動は、年に一度の講座の実施である。年に一度、といっても今年を例に挙げれば、4月8日の1回目の公開講座に始まり、6月23日まで、6回もあり、午前も午後も行われた。使われるテキストの厚みと中身の濃さにも驚かされる。説明文や写真のほかに、古地図あり、年表あり、系図ありで、これだけ見ても、準備だけでもかなりの時間と労力がかかるだろうと十分に推察できる。

「横浜線ものがたり」のこれまでの実施講座をみると、緑区を対象にしたものと、緑区に関わりのあるテーマをもとに区域を飛び出して行うものが毎年交互に実施されている。平成19(2007)年は2回行われたが、これは、「ハマのシルクロード 横浜線ものがたり」と称し、緑区を飛び出してシルクロードを探求した講座だったが、緑区への言及が希薄になってしまったことから、その後、緑区そのものを対象とした講座を年内に実施したからだそうだ。その年以降、一年ごとに、緑区限定、緑区以外へも、という方式に決まったという。


榎下城址で説明する佐野さん

一番の人気だったのは平成25(2013)年の「葛飾北斎が描いた大山道の面影を訪ねる」で、30名の募集のところ100名もの応募があったそうだ。北斎の浮世絵の入った募集チラシが人気を集めたようだ。二番目は今年実施した「横浜線沿線の城と小田原城総構を訪ねる いざ!城攻めじゃ 小田原北条氏の城めぐり」で、応募者は67名だった。参加者集めの広報は、区や“みどりーむ”が広報紙やホームページなどで、いろいろな形で積極的に行われる。地元のタウンニュースに取り上げられることも多いとか。チラシは駅や各施設にも置かれて、講座のPRに役だっている。

「事後グループ」から地域活動へ

講座の実施後は、参加者たちが興味を共有できる人たちと独自にグループをつくり、活動を継続するという。これを「事後グループ」というそうだ。この事後グループがつくられて、地域で活動するようになることが、緑区生涯学級の目的でもあるので、会の活動は地域支援に十分役立っている。

後で、いただいた資料をみたところ、講座の実施についての留意点や、実施後の検証がこと細かく厳しく行われていた。例えば、テキストを作るうえでは、「生きがいづくり」、「グループ活動のきっかけづくり」が講座の目的なので、特定テーマの知識探求ではないから、必要以上の詳しさは不要だとしている。また、テキストへの評価が大変高かったことについては、見た目や内容などのレベルの向上をあげ、それについて細かく具体的な分析がされている。特に、緑区域外への飛び出しの意義に関しては、「緑区と関係のあるテーマのもとに、緑区域外に飛び出し、そこから改めて緑区との関りを眺めるのが、最大の目的であり、単に訪問先の案内ではないということが重要」とあり、常に、緑区生涯学級の本来の目的に沿おうとする姿勢が貫かれている。

「長津田ふるさと会」とも連携

余談になるが、一つ目小僧伝説のお話をしてくれた久保田さんが代表を務める「長津田ふるさと会」というグループがあるが、そこが昨年6月に長津田地区センターで開催した歴史展「長津田歴史展Ⅶ・板部岡江雪斎と長津田領主岡野家」は、同時期のNHK大河ドラマ「真田丸」に登場した「江雪」を中心に紹介し、その息子から始まる長津田・岡野家の歴史を展示したものだった。NHK大河ドラマに江雪が出ていたことで、遠くは名古屋、長野、千葉といった所からも、ツイッターやフェイスブックで情報を得た人たちがやって来た。特に“歴女”が圧倒的に多かったそうだ。歴史に興味を持つ人たちも様変わりしたのだろうか。横浜線ものがたりの運営委員の多くが、こちらの「長津田ふるさと会」のメンバーでもあるとのことで、“歴史にハマル”と、いろんな形で、歴史探求に関与したくなるものらしい。

せっかくなので、久保田さんよりの、長津田の「一つ目小僧伝説」と【補足】どんど焼き(右欄に掲載)をご紹介します。併せて、読んでいただくと、皆さんも子供の頃のことを思い出すのではないでしょうか。

一つ目小僧とどんど焼き

(どんど焼きと長津田地区の民話)




目籠を見て、逃げ出す一つ目小僧

 むかし、12月8日の晩になると人の目には見えない一つ目小僧が、部厚い帳面をかかえて山から村へおりてきて、戸締りの悪い家をさがしては入ってくるといわれていました。
 子どもたちが屋外に行儀悪くぬぎ散らかしている下駄や草履(ぞうり)を見つけては、それに「ぺたん」とはんこを押して帳面に名前を書いていくのです。
 帳面が名前でいっぱいになると、それを辻の道祖神(どうそじん=賽の神;さいのかみ)に翌年の2月8日まで預けて、一つ目小僧はまた山へ帰ってゆくのです。
 名前を書かれた子どもの家は、翌年になると必ず疫病神(やくびょうがみ)がやってくるといって、人々から恐れられていました。
 そこで村人たちは、2月8日に一つ目小僧がきても、帳面がその手に渡らないように、正月の14日には帳面を隠している賽の神の仮の祠(ほこら)あるいは賽の神の所に置かれていた石を、どんど焼きの火の中で燃やしてしまうのです。
 おとなたちは、一つ目小僧がやってくる12月8日、あるいは2月8日になると、家の庭先に目籠(めかご)をさげておきます。
 すると、一つ目小僧は、
 「こいつは俺よりたくさん目があるぞ、こんなやつにはかなわない!」
 と恐れをなして逃げ出してしまうのだそうです。

トップへ戻る