横浜歴史さろん

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よこはま歴史仲間

大都市横浜には、郷土の歴史や文化について調査・研究している団体や、自主的に勉強しているグループがたくさんあるそうです。このページでは、そうしたお仲間の紹介や利用できる有益な施設の情報などを順次提供しています。

これまでにご紹介した団体、施設等の記事は「アーカイブ」にてご覧になれます。

横浜の歴史に関係する活動を行っているユニークなグループ、利用可の知られざる施設・建物などがあれば、紹介させていただきますので、ご連絡ください。
  rekishi@yokohamasalon.link

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★紹介コーナー No.8

「和・話・倭・輪・わっ」-金沢区生涯学習“わ”の会

金沢区(かなざわく)は今年、区制70年ということで、金沢区役所には大きな横断幕が掲げられている。「800年中、70年が『金沢区』」と書かれている。何を言いたいのか?と考えさせられた。つまり、金沢は古くから交通の要所として、また鎌倉への海上輸送の荷揚げ場として栄えてきたというから、「金沢区としては(たったの)70年だけれど、800年もの(長―い)歴史があるんですよ」と言っているように聞こえてきた。
 金沢区生涯学習“わ”の会のマークは、和・話・倭・輪・わっ、の“わ”尽くしの楽しいネーミングが形になっている。会は、各地区での生涯学習設立機運と時を同じくして、20年前の1998年に、「地元『金沢の歴史』を学ぶことを軸として、豊かな生きがい作りを進める」という趣旨で始まった。当初は会員が60名くらいであったが、現在の会員数は122名と拡大している。7代目の代表を務められている内田孝知さん、副代表でホームページ担当の江口正彦さん、会報「かねざわ」編集長の山腰策次郎さんにお話を伺った。(取材・文 渡辺登志子)

金沢(かねざわ)の歴史に裏打ちされた会の伝統と誇り

まず、ご紹介いただいたのは最近発刊された「かねざわの歴史事典」第3版、1300円+税。初版(平成19年)、新版(平成22年、10周年記念)と発刊され、このたび20周年を記念して第3版が出された。4年の編集作業を費やし、総項目数1583で、追加(79)、改訂・修正(608)と、4割以上に手が加えられた。「この書は横浜市金沢地域の遺跡、名所、旧跡、地名、社寺、企業、事象、伝承や関連する人物、書籍などを網羅した歴史事典です。」と説明書きがある。今回から対象を金沢区のみならず、周辺の鎌倉や磯子区杉田など近郊にまで広げた。編集委員の方たちで、実際に現地調査をしたうえで、また、難しい用語はかみ砕いて記載したということもあり渾身の出来栄えのようだ。
 歴史事典や会報の名称が、なぜ「かねざわ」とつけられたかは、当地の古名を「かねさわ」といったという伝承がある、当地に縁の深い金沢北条氏は「かねざわほうじょうし」と称した、ということからのようである。昔は濁点をつけなかったので、「かねさわ」とあっても「かねざわ」と言っていたと思われる。

国宝の話:横浜市民でも、横浜に国宝があり、それが何で、どこにあるかを知る人は少ないと思う。それが、右の3つで、いずれも金沢文庫と称名寺のものである。金沢文庫は東の正倉院と言われている。所蔵している膨大な量の古文書も、まだ全部調べられていないそうだ。文選集注(もんぜんしっちゅう、右欄を参照)は本家の中国には原典も写しも残っていないとのことで、中国や韓国の学者が金沢文庫に研究に来ているという。金沢区民なら、これを誇らずにはいられないだろう。これら国宝にまつわる用語なども、是非「かねざわの歴史事典」で調べてみたらどうだろう。

“わ”の会の2つの柱-学習会と分科会

学習会

2017年7月22日の学習会「室町時代Ⅱ-永享の乱-」講師の呉座勇一
氏が足利持氏が足利将軍家に似た花押に変更したとの説明をされている。
呉座氏は『応仁の乱』中公新書 40万部を超えるベストセラーの著者

長い歴史を持ち、横浜市では貴重な史料がどこよりもある金沢区では歴史関係のサークルがいくつもあり、それぞれ活発に活動されているようだ。なかでも“わ”の会は、規模が大きく、生涯教育のリストのなかで常にトップに位置付けられている。この“わ”の会の柱となっているのが、学習会と分科会なのだという。

学習会は、「金沢の歴史を学ぶ」をテーマに、古代から現代までの全時代が対象で、いろいろな視点から見られるように企画されている。一年間に学習会が7回に加えて、一般の人も参加できる公開講座がある。これまでの経験を活かし、講座の内容、講師の選定・交渉など敏速に行うことで、これから注目される珠玉の講師を呼び寄せているのが自慢のようだ。学習会は会員が全員参加するのが前提であることから、今のところ100名以上収容できる会場が用意できないので、残念ながら現在の会員数以上は増やせないそうだ。

分科会は、“わ”の会に特徴的なもので、「寺社を巡る会」、「古文書を読む会」、「ふれあいの道歩こう会」、「懐かしの映画を観る会」、「浮雲俳句会」、「パソコンを使いこなす会」、と6つの分科会があり、近々7つ目ができるそうだ。分科会は、言うなれば、一つ一つが立派な生涯学習サークルといえる。各分科会に、それぞれ代表がいるし、会費の額も活動により異なる。それでも、これは“わ”の会の分科会なのである。幹部の皆さんは口々に「学習会では、会員同士の交流はあまりできませんが、分科会に入ることで仲間ができで話がはずむ」「自分にあったものを見つけて活動することで生きがいを見出せます」「終わった後で、うまいビールが飲めるのですよ」と語った。だから必ず分科会に入ることを勧めている。どの分科会も10年以上続いているし、会員の約6割が2つ以上の分科会に参加しているそうだ。内田代表も語らいかつ飲み仲間を探して入会したとのことで、皆さん、実に楽しそうだ。

すべてが網羅されている会報とWebサイト

これら会の全体をまとめ上げているのが、会報とWebサイト(ホームページ)の存在だ。会報「かねざわ」には、会の方針・運営、学習会・各分科会の方針や活動などが、かなり詳しく報告されている。サイトはその内容を、忠実に反映し、データとして残すことで会の歴史を積み上げているが、会報と違うのは個人名がほとんど見当たらないこと。これはネット上での個人情報の取り扱いに配慮しているからかと思う。外部の人間でもこのサイトをみれば、この会の活動のことがよくわかり、そのすばらしさが感じられると思う。

最適な生涯学習の場を提供

現在の会員の平均年齢は75歳くらい。出来れば若い人たちに入ってもらいたいが、定年が延びているから、平均年齢は下がりそうもない。会員が個々に輝きながらも、個人があまり見えず、全体の和・輪が全面で出ているのが、“わ”の会の特徴のようにみえる。それが非常に日本的であり、高齢者には快適な生涯学習の場になっているらしい。 “わ”の会の年会費は3000円で、他の生涯学習と同じくらいであるが、こちらは、あまりあるお得感があると思う。会員には「かねざわの歴史事典」が無料で提供されるし、著名な講師陣を誇る学習会も無料で参加できる。これらの実現は、各人が自分の能力を遺憾なく発揮し、全体的な効率性にも配慮している結果のようだ。“わ”の会は“生涯学習の鏡”と言ったら、褒めすぎだろうか。

“わ”の会ホームページ
http://kanazawa-wanokai.in.coocan.jp/

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