横浜歴史さろん

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よこはま歴史仲間

大都市横浜には、郷土の歴史や文化について調査・研究している団体や、自主的に勉強しているグループがたくさんあるそうです。このページでは、そうしたお仲間の紹介や利用できる有益な施設の情報などを順次提供しています。

これまでにご紹介した団体、施設等の記事は「アーカイブ」にてご覧になれます。

横浜の歴史に関係する活動を行っているユニークなグループ、利用可の知られざる施設・建物などがあれば、紹介させていただきますので、ご連絡ください。
  rekishi@yokohamasalon.link

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★紹介コーナー No.7

“郷土とつか”を、見て、知って、楽しむ、「戸塚見知楽会」


会のシンボルマーク
戸塚駅周辺は数年前に大規模に整備され、新築された戸塚区役所の総合庁舎は2013年3月に開業、駅西口にそびえ立っています。戸塚駅から庁舎へ向かう構内の通路の壁には何枚もの戸塚の浮世絵や宿場の絵地図が続いていて、行政の観光育成に対する取り組みの表れのようです。区役所の3階は区民のためのスペースで、広々とした空間に多くの人々が集っていました。その一角をお借りして、「戸塚見知楽会」の代表である根岸正夫さん、副代表の大関彰一郎さんと堀越英和さんから、会の活動についてお話を伺いました。〔聞き手・文:渡辺登志子〕

多岐にわたる驚くべき活動の展開

「戸塚見知楽会」の設立目的を簡単に言うと「戸塚区の歴史に関わる史跡を“見て・知って・楽しむ”こと。またそれらを人々に広く伝え、郷土をつないでいくこと」。

平成29年11月5日の歴史講演会「江戸の町作りと人々の生活」

この会の始まりは戸塚区が募集した「史跡調査隊」という講座とのことで、生涯教育の一環ではあるが、単なる座学ではなく、講師の指導もあったとは思うが、自分たちでまちの歴史を調べて研究するような自主的な講座だったという。道標、石仏、本陣跡、寺社、人物など、郷土の歴史についての調査研究が3年間行われた。その修了生たち7~8名が、学んだことを地域に還元してゆこうと2003(平成15)年5月に立ち上げたのが「戸塚見知楽会」だった。

「戸塚見知楽会」も退職者に対する、親睦の場の提供、生きがいの増進、街の活性化という、いわゆる生涯教育的な面はあるが、こちらの活動内容は大変多岐にわたっている。各種ガイドブックの作成、歴史散歩のガイド、毎年10月の「とつか宿場まつり」の開催や1月の戸塚宿七福神めぐり、年2回の講演会の実施、子ども向けのイベント、近年は会員による調査をもとにしたシンポジウムの開催などなど。事業形態も3種類あり、行政との協力事業、自主事業、他団体との連携活動など、それぞれが確実に実施されており、市民のボランティア団体でありながら、驚くほど多角的な運営が行われている。


梨を頭にのせている
ウナシー

現在、会員は40名と増えている。そのうち運営委員が約10名で、運営委員会で活動内容が決められるが、各活動には全員参加を基本としている。会員はこれまで行われた「戸塚ウォークガイド養成講座」を卒業した者たちで構成されているそうだ。ボランティアではあるが、高い意識と責任感が求められ、戸塚を主軸にした史跡調査への参加など、各自が質の向上をめざし研鑽している。活動には会員それぞれの個性や得意分野が活かされているが、外部向けに戸塚の史跡や歴史を案内できるガイドさんは現在10名ほどいるそうだ。活動時には、揃いのオレンジ色(会のカラー)のジャンパー、法被(はっぴ)などを着用、会のイメージを定着させるロゴマーク、シンボルマークを持っている。最近では、「とつか歴史探訪」というスマホのアプリまでがつくられている。イベント参加者に配られる缶バッジは、戸塚区の70周年事業で生まれた、ゆるキャラのマスコット「ウナシー」で、区と連携の提供品である。ちなみにウナシーは牛と梨の合成で、戸塚区は畜産が盛んだったことと、梨を名物にしたいという思いからだそうである。

戸塚区と戸塚宿の話

有名な歌川広重による東海道五十三次之内 戸塚 元町別道

旧東海道の道筋は戸塚区内を南北に縦走している。〽お江戸日本橋七つ立ち~〽で始まる東海道五十三次の道中を歌詞に歌い込んだ唄があるが、出発点、日本橋を七つ(午前4時ころ)に旅立ち、10里(約40km)行くと、5番目の宿場町である戸塚宿には、午後の日のある内に到着する。戸塚宿は、その前後を高所に挟まれていることから、多くの旅人は次の坂越えに備えて、ここで宿泊したそうだ。
 戸塚宿には2つの本陣と3つの脇本陣、旅籠は75軒と五十三次の中では10番目に宿泊施設の多い宿場で、大いに賑わったという。
 それほど賑わった戸塚ではあったが、何故か際立った特徴がなく、観光的要素が乏しいという。寺社は多くあるものの、その他の名所、名物、傑出した人物もいない・・・。根岸代表は「戸塚にはランドマークがない。あるとすれば宿場」だという。それゆえに、宿場の存在を大いに盛り上げることが重要なのかもしれない。当然、行政も力を入れているようで、駅構内の浮世絵や絵地図の掲載と同様、駅周辺の歩道橋の柵には、戸塚を描く浮世絵の一部が道標のようにいくつも記されている。史跡の案内板も整備されている。また、戸塚宿を説明する小冊子、リーフレットや散策マップの作成、とつか宿まつりの開催等が行われ、戸塚見知楽会が強力なパートナーとして、その実施の成功を支えている。
 戸塚には40年以上続いている「戸塚歴史の会」という戸塚の歴史を長年深く研究しているグループがあり、相互に協力しあうことにより、見知楽会の活動にさらなる深さを与えているようだ。
 戸塚宿は周辺宿場と比べると、いろいろな面でまだ十分とは言えないので、“郷土とつか”のため行政とも連携・協力しあいながら事業を充実させて行きたいそうだ。

人気の高まる歴史探訪ウォーキング

石仏・仏像・寺社を巡る歴史探訪

ウォーキングに関しては、自主的に史跡調査など会員の視野を広げるべく行われるものと、一般の参加者をガイドするものがある。一般参加のウォーキングは募集50名ほどで、各班の定員が約15名で、そこに会員が4~5人付いて安全を確保して行われる。

こうしたウォーキングは行政との連携もあれば、大手旅行会社からの依頼も多いそうだ。これは主に、旅行会社が東海道五十三次の宿場を辿る企画のうち、戸塚宿の案内を任されることによるものである。こうしたニーズは高まっており、そのことからも、他の宿場町を扱う団体や行政との連携があり、そのつながりから実施されるイベントなどもあるという。

これだけの事業展開があっても、根岸代表によると、今のところNPO法人化は考えていないそうだ。それは、戸塚見知楽会本来の身軽な“見・知・楽”を保持したいがゆえのようである。

〔聞き手より〕 昨年10月1日、「とつか宿まつり」のプレイベントである「なぞ解きウォーク」に参加しました。ガイドは戸塚見知楽会の方で、歴史も含めて戸塚のことを全く知らなかった私としては、適確で上手な案内が印象に残りました。「なぞ解きウォーク」という趣向も、参加者の歴史や史跡に関する注意力を維持するのに、十分役に立ったと思います。今回、会の活動を伺って、ウォーキング以外にもいろいろ多岐にわたる活動があり、その内容の多様さと完成度の高さに驚きました。非常に機動力がある戸塚見知楽会は、様々な活動を通して「郷土とつか」への貢献度は大なり、と思いました。

戸塚見知楽会への問合せ先:
Tel: 080-5545-4163(09:00~17:00)
Email: totsuka15michi22@gmail.com

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