そもそも日本人とパンとの出会いは、16世紀半ばに鉄砲と共に伝来したと言われている。
その後、幕末となり横浜は開港地となって、徐々に外国人居留民も増えてパンの需要も増加したが、当初は自らの手で賄っていた。しかし、当時の尊王攘夷の嵐で、外国人が殺傷されるなどの不安な情勢に、イギリスやフランスが軍隊を駐留させるなどしたため、外国人の数が急増し、専門のパン職人も来日するようになった。
そうした中で、1861年(文久元年)にイギリス商人のW・グッドマンが横浜で最初に開業し、最高の小麦粉を輸入し美味なパンを作り好評であったが、1864年には帰国してしまった。ほかのパン職人たちも短期間の滞日で帰国してしまうことが多かったらしい。1865年に、イギリス人、ロバート・クラークが「ヨコハマベーカリー」(中区山下町)を開業し、W・グッドマンの技能を継承し、品質も優れ本格的なベーカリーとして盛況を博したと言われる。
他方、横浜で日本人ベーカリーとして活躍する者が現れるようになった。代表的な人物として以下の2人を挙げてみたい。
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