横浜歴史さろん

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よこはま歴史仲間

大都市横浜には、郷土の歴史や文化について調査・研究している団体や、自主的に勉強しているグループがたくさんあるそうです。このページでは、そうしたお仲間の紹介や利用できる有益な施設の情報などを順次提供しています。

これまでにご紹介した団体、施設等の記事は「アーカイブ」にてご覧になれます。

横浜の歴史に関係する活動を行っているユニークなグループ、利用可の知られざる施設・建物などがあれば、紹介させていただきますので、ご連絡ください。
  rekishi@yokohamasalon.link

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★紹介コーナー No.14

会員による古代から近代までの通史の研究発表が主軸活動の「横浜歴史研究会」

発表の時代区分分析
古代への関心が一番高い

これまでこの仲間紹介ページでは、主に「横浜の歴史」を対象とするグループ(郷土史、歴史散歩、古文書など)を掲載してきましたが、今回は、「横浜にある『歴史研究会』」です。研究テーマは通史(石器時代から近代まで)における政治・経済・教育・文化・社会・芸術などで、日本の歴史を主とするが、海外に関する発表もされています。会員の大半は第二の人生を楽しく生きるために歴史を学ぶ人達であることは、これまでと同様です。(取材/文:渡辺登志子)

1.はじまりは昭和40~50年代に起こった全国的歴史ブーム

今から約4,50年前の、昭和40~50年代に全国的に歴史ブームが起きたという。当時の出版社・新人物往来社が機関となり歴史研究会が設立された。その後、その支部的機関として全国各地に地方研究会が生まれ、当会もその流れの中で昭和58(1983)年10月30日、歴史研究会横浜支部として発足している。
 当初は鎌倉の歴史を中心に歴史散歩やバスツアーも実施された。昭和62(1987)年、独自の方針のもとに運営・活動を行っていくことにしたことから、会を「横浜歴史研究会」に改称し、支部長だった大町頼勝氏が初代会長となった。全国歴史研究会とはその後も親睦の関係機関としてつながりを保っている。

創立5周年記念(昭和63年)には 作家の永井路子氏による記念講演が行われ、その後5年ごとに「周年記念」イベントとしての講演会開催、伝統芸能の鑑賞、記念誌の発行などが行われている。来年が創立40周年記念となるので、現在その計画を進めているところだそうだ。

2.活動はビッグ・スケール

横浜歴史研究会は、古代から近代までの会員による通史の研究発表を行うことを基本とし、会誌の発行や歴史散歩、研修旅行などを実施している。現在の会員数はコロナ禍の影響で減少したものの160名近くであり、サークルとしては相当な大所帯である。

6月12日の例会(開港記念会館講堂)の様子。「『後北条五代』とその後(小田原城)」、
「聖徳太子 その系譜と業績」、「平民宰相 原敬の生涯」の順で行われた。

聖徳太子の系譜で説明

例会は毎月1回(8月休講)午後1時から、主に横浜市開港記念会館にて行われる。通常は会員3名の研究発表だが、1月は外部講師などによる特別講演となる。コロナ禍までは毎回100名を超す盛況だったとのこと。
 これまでの発表件数がどれくらいなのかを伺ったが、現会員に創立時の者がおらず、詳しいことはわからないそうだが、過去20年間は、年間発表者約30名(3名×10ヵ月)、1例会で3名のスタイルを継続しているので、10年で300名とすれば、1000人位の発表が行われたのではないかとのことで、驚くべき実績である。過去4年分ほどの研究発表の題名(テーマ)がホームページに掲載されていたので、それをこの最後に表にして掲載させてもらった。歴史好きなら、それを見ているだけでも歴史へのワクワク感が膨らんでいくだろう。
 最初に示した円グラフ「例会 会員発表テーマ」は会のホームページからの転載だが、これによると、発表テーマの時代区分は、古代29%、近世22%、中世と近代ともに19%となっている、横浜歴史研究会の会員では、古代への関心が一番高いことを示していて、大変興味深い。

掛川城を背に記念撮影

研修旅行(バスツアー)は(年1回)1泊2日の史跡探訪のバス旅行で、直近では平成31(2019)年5月「辛酸と忍耐 若き日の家康をたどる遠江の旅」が実施された。残念ながらこれ以降は昨年・今年とコロナ禍のため開催中止となっている。歴史散歩も春・秋の2回、日帰りによる近郊の史跡巡りを行っている。

6月12日の例会日に発行された
最新の「歴研よこはま」第82号

会誌「歴研よこはま」は年2回発行されている(5年毎の周年記念度は特集号となり年1回の発行)。会員の研究発表やエッセイなどがたくさん収められている。会員数が多いことから、ページ数も多く、この会誌発行の経費が会の財政で大きく占めているようだが、それだけ活動が盛んであることの表れでもある。 10周年記念号発行を機会に、PRのため会報を国会図書館、県立図書館などに寄贈した。その後神田の某書店にハーバード大学から問い合わせがあり、有料で納品された。なぜそのような照会があったのか定かではないらしいが、会ではこれを機会に毎号日本にある窓口機関を通してハーバード大学に寄贈しているとのことだ。会誌の体裁「B5縦書き4段」に関しては、A4横書きが昨今の主流ではあるが、1頁に入る最大文字数が1800字と最大クラスであることから、サイズ、フォームは変更しないという結論に至ったそうだ。

伝統芸能の鑑賞:これまでも周年記念ごとに、落語、唄、踊りなど日本の伝統芸能を鑑賞する会を実施してきた。今年の10月24日(日)に横歴「はま寄席」を開港記念会館講堂で開催予定しているそうだ。

3.会員動向・面白い分析

会では、平成29(2017)年の35周年記念にアンケートを行い、会員151名中143名の回答より会員動向の分析を行った。その結果をホームページに掲載しているが、他の中高年の歴史関係サークルにも共通する傾向が見られることから、参考のため抜粋・転載させていただいた。

男女別構成 男性115名(80%)・女性28名(20%
年代別構成 70歳以上103名(72%)・60歳代36名(26%)・50歳代2名(1%)・50歳以下3名(2%)

好きな時代はいつですか?ベスト5
男性 ①戦国 ②江戸 ③鎌倉 ④明治 ⑤奈良
女性 ①戦国 ②奈良 ③江戸 ④平安 ⑤鎌倉・飛鳥

好きな歴史上の人物は?(複数回答)ベスト7
①徳川家康 10名 ②織田信長 7名 ③上杉鷹山 6名 ④豊臣秀吉・源頼朝・武田信玄 5名 ⑦西郷隆盛 4名 その他吉田松陰・二宮尊徳・坂本竜馬・大友家持・足利尊氏・山岡鉄舟・天武天皇が3名など全部で86の人物が上がった。

4.豊富な人材とホームページの充実

会員数(約160名)も多く、例会の参加者(約100名)も多く、バスツアー、研修旅行、「歴研よこはま」の発行、5周年記念ごとの大規模な催し、こども歴史教室(過去2回開催)、会紹介のDVDの制作など、活発な活動が行われているが、こうした企画、計画、実施はどのように進められているのか、さぞや大変なのではないかと伺ったところ、「こうした行事などは、過去何度も実施されており、20数名の役員へ、その運営・実施方法などは都度継承されている」とのことだったが、それは歴代の役員の方々には責任をもって取り組み、確実に目標達成できる質の高い人材が結集している証であるとの印象を受けた。また、ただ継承しているだけではなく、新たな取り組みへの意欲も強く感じられる。「みんな社会の歯車だった。その役割を終えた今、ずっと暖めていた夢を膨らませる。壮大な宇宙に自分の星を探し求めるような歴史という夢の旅・・・」で始まる35周年記念ビデオ「横歴150の夢『星空の旅』」には、横浜歴史研究会の長い歴史をしっかりと振り返り、そして未来へ向けての会員たちのメッセージが込められている。

横浜歴史研究会の公式ホームページ(URL: https://www.yokoreki.com/)は平成30(2018)年1月に開設された。4年目を迎えているが、内容がとても充実している。会の基本情報はもちろんのこと、発表者のレジュメ・「歴研よこはま」の内容もできる限り掲載しているようだ。特に、「会員のページ」や「編集室のホッとつぶやき」などは、会員の皆さんのいわゆる“生の声”が聞こえてきて、大変興味深い。新会員は各自、入会の経緯、目的、歴史の勉強との関り、抱負などを述べていて、それがとても面白い。歴史に興味を持ったきっかけが、家系図、歴史小説、大河ドラマ、狛犬、落語、寺社、城など様々である。また、サイト上で横浜歴史研究会の会歌(平成14年創立20周年を記念して制定)も聞くことができる。会が制作した書籍の紹介のみならず、会員個人が執筆した書籍も紹介されている。
 ホームページ内の「入会案内」には、入会は随時申込みできるとあり、フォームが用意されているので、そこから申し込める。「原則:横浜及び横浜近郊にお住まいで本会例会に参加できる方」が条件となっている。その他、様々な事項が掲載されている。ホームページは、外部への情報発信と同時に、会員間の情報交換・交流・親睦に大きく寄与するものであり、他のサークルの方々も大いに参考にしたらよいと思う。ホームページの維持管理にはそれなりの人材が必要なので、そこにも人材の豊富さを感じる。

5.会の基本方針・今後のこと

現会長(4代目)の木村髙久氏からのメッセージは「共に歴史研究というロマンの世界を楽しみませんか。」というもので、会の精神として歴史を学ぶことが好きな人間が、楽しく集う場所(サークル)。過去の学歴、職歴は問わず、歴史を通して語り合い、史跡を訪ね、歴史文化を楽しむことを目的としている。
 学者レベルの研究者から歴史に興味を持ち始めたという初学者もいるようなので、会員間のレベル差についてどうですか、と伺ったところ、広報担当の高尾隆氏より「会員のレベル分けを行うようなことは一切なく、一生懸命学び、研究を重ねた方の発表や作品(論文)は条件抜きに人の心を打つものです。」との回答だった。横浜歴史研究会の会員としては、研究発表への“情熱”が何よりも必要のようであり、この情熱や意欲が会全体を豊かにしているように思える。また、高尾氏は「当会は時代を限定せず通史だからこそ、長く続けてこられたと思います。」と語っている。新しく毎年約20人も入会者がいるというのは“通史の強み”に違いない。
 会費は4000円/年、月例会費が1000円(テキスト・茶菓代含む)であり、サークルとしては決して安くはないが、様々な活動を活発に行うためには足りないくらいのようだ。
 会員表彰も行われ、永年在籍表彰/皆勤賞(3年連続・1年間)、精勤賞などがあるというから、会員の出欠もきちんと記録されているわけである。

今後の会の課題は?の問いに対しては、「このようなサークルの存在や価値観が日々変わっています。会は10年位のサイクルで半分近くが入れ替わります。年老いていく人間が少年の時のように目を輝かせる素晴らしい会がこの先もずっと続くかどうか。」とのこと。ひとたび歴史の魅力にはまると、年をとることを忘れてしまい、子供の頃のようなワクワク感が人生の最後まで続いていくような気がするので、新たな“歴史好き”が次々と現れて素晴らしい会を継承していくことでしょう。

6.研究発表テーマの紹介

(ホームページ掲載分)

令和3(2021)年度

4月例会 「日本書紀1301年と平城京ツアー」忌部守

令和2(2020)年度

12月例会
  • 「金印発見―志賀島の甚兵衛は何処へ消えたのか」小林道子
  • 「明治新政府、勢力闘争と近代化の歩み」~旧土佐藩士大目付下村銈太郎盛俊の役職から読み解く~ 中村康男
  • 「元禄期の大大名 良将、善将、悪将、愚将-「土芥冦讎記」-」長尾正和
11月例会
  • 「近代日本が生んだ世界的細菌学者 野口英世の実像」長谷川憲
  • 「宇佐八幡と八幡神」斎木敏夫
  • 「間宮林蔵は善人か悪人か-歴史は後世に脚色される-」高尾隆
10月例会
  • 義和団事件の英雄・会津人柴五郎の生涯」大瀬克博
  • 「大王(天皇)を支えてきた大伴氏の最後」高野賢彦
  • 「赤備え~虎昌・昌景&幸村・直政~」清水獏
9月例会
  • 「乙巳の変と大化の改新の真相」木村髙久 
  • 「西洋と日本の城・比較と検証」西野博道
2月例会
  • 「細川藤孝 その謎の出自に迫る」真野信
  • 「私が歩いた五街道(甲州街道編)」佐藤猛夫
  • 「童謡詩人-野口雨情と尊王攘夷の系譜」堀江洋之

平成31(2019)年度

12月例会
  • 「武田家の滅亡」吉田友雅 
  • 「資本主義経済の先導者、渋沢栄一から学ぶ」西山達夫男
  • 「坂上田村麻呂とは」加藤導男
11月例会
  • 「三島通庸は鬼か?―三島通庸と自由民権運動-」上野隆千
  • 「横浜水道みちをたずねて」進藤洋輔
  • 「明智光秀を織田信長に推挙した人物」高橋正一
10月例会
  • 「落語の種」寺田隆郎
9月例会
  • 「私の歩いた五街道(中山道)」佐藤猛夫
  • 「江戸を吟味する」瀬谷俊二郎
  • 「天誅組主将・中山忠光とその流転の血脈」山本修司
7月例会
  • 「チンギス・カン一族とその系譜」真野信治
  • 「シベリア出兵」(後篇)古谷多聞
6月例会
  • 「開国と横浜開港の真の功労者は誰か」木村髙久
  • 「「コトバを創り、話したように記す-古代びとの挑戦」松尾光
5月例会
  • 「浮世絵から歴代市川團十郎の特徴と日本の伝統芸能を垣間見る」中村康男
  • 「倭の五王と前方後円墳ツアー」村島秀次
  • 「縄文文化の疑問と概説」―日本列島人の気質を探る-宮下元
4月例会
  • 「武田信玄の死因と卒去地を探る」高野賢彦
  • 「富士講中興の祖―食行身禄について」高尾隆
3月例会
  • 「日本最大の大名家・九州相良藩」大瀬克博
  • 「飛鳥、白鳳時代の斑鳩の里」斎木敏夫
  • 「戦国武田氏三代目・武田勝頼」―その生涯・器量 そして「勝頼伝説」―清水漠
2月例会
  • 「大江広元と息子たち・一族の盛衰」長尾正和
  • 「日本は九州出身?」蛭田喬樹
1月例会
  • 「天下の大器と期待されながらも早世した蒲生氏郷」竹村紘一

平成30(2018)年度

12月例会
  • 「田中正造と足尾銅山鉱毒事件」上野隆千
11月例会
  • 「松陰日記を読む」(柳沢吉保伝) 森岡璋
  • 「小机城址を訪ねて」進藤洋輔
10月例会
  • 「神奈川の古代直線官道について 」竹内秀一
  • 「武田信玄の大将として」吉田友雅
  • 「幕末、維新、そして明治を駆けた宇和島藩」槙良生
9月例会
  • 「シベリア出兵 」Siberian Intervention(前編)古谷多聞
  • 「第0次世界大戦 」(日露戦争)瀬谷俊二郎
  • 「青い眼をした勤王の志士 」~アーネスト・サトウの果たした明治維新への役割~ 三觜行雄
7月例会
  • 「浮世絵で江戸・明治にタイムスリップ!~江戸庶民の暮らしぶりと江戸・明治の様子を覗き見る ~中村康男
  • 「香取文書の売券から見える中世の東国」北村邦明
  • 「諸説あり 島原の乱」山本修司
6月例会
  • 「前九年・後三年の役~ 奥州制覇の野望に失敗した源氏 ~」加藤導男
  • 「埼玉の城郭とその歴史」埼玉城郭研究会 松岡巧・冨澤英二
5月例会
  • 「吾妻鏡に見る梶原景時追放の真相」丸山雅子
  • 「石器時代の日本とホモ・サピエンス」宮下元
  • 「江戸庶民の憧れ・富士講」高尾隆
4月例会
  • 「江戸の蔵書家・狩谷棭斎とその時代」中島賢治
  • 「2泊3日の邪馬台国ツアー」村島秀次
3月例会
  • 「極楽浄土への憧れが具現化した九体阿弥陀堂」斎木敏夫
  • 「甲斐・武田氏親族(穴山氏の興亡)」清水漠
  • 「在野考古学研究者の相沢忠洋とF氏から思うこと」木村髙久
2月例会
  • 「晩年の宮本武蔵と細川忠利」大瀬克博
  • 「神武天皇即位 紀元前660年はどのように決められたか」蛭田喬樹
  • 「神皇正統記」誕生秘話をさぐる(北畠親房の夢とは )堀江洋之
1月例会
  • 「越前朝倉氏の興亡録」竹村紘一

以上

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