1800年代末期に横浜で貿易業として創業開始した「サミュエル商会」の石油部門が、1901(明治34)年に、ライジングサン石油を開業。1929(昭和4)年、伊勢佐木町の不二家ビルなどでも知られるチェコ出身のA・レーモンドの設計で大林組の施工で竣工した地上3階地下2階建てのビル。ライジングサン石油横浜本社ビルとなり、その後、社名変更により、最終的には、昭和シェル石油山下町ビルと呼ばれた。
特徴的なのは、入口の回転ドアおよびその上部の曲面ガラスと、フルーティングと呼ばれる装飾を施された凹凸のある柱、全面ガラス天井の1階の中央事務室だったという。これは、フランスの近代建築家ペレの影響を受けたもの。当ビルは、1990(平成2)年に、解体されたが、日本大通りの旧、横浜市外電話局の建物4階にある「横浜都市発展記念館」の横浜建築探訪のコーナーに、この建物の模型と竣工時の記念集合写真が飾られていて往時を忍ぶことができる。
これから先を閲覧するにはログインが必要です。会員登録済の方は右欄の上方からログインをお願いします。新規会員登録(無料)はこちら